世界史部会 1月例会(1月28日)

日 時:2024年1月28日(日) 午後2時00分より
    ZOOM利用で行います。
テーマ:「ジェノサイドを越えて?
     ルワンダにおける平和回復過程に注目した授業実践」
報告者:和井田祐司さん(大阪歴教協 大阪暁光高校)
【報告の概要】1994年4月のルワンダジェノサイドの発生から、今年で30年を迎える。証言の検討を通じてジェノサイドの実相を把握したうえで、ルワンダにおける平和回復過程に注目した授業実践である。ガチャチャ裁判による「和解」の事例検討や、「ムリンディ/ジャパン ワンラブ・プロジェクト」のお二人をお招きしてのゲスト授業を通して、ルワンダジェノサイドを生徒とともに探究した取り組みを報告する。
参加を希望する方は井ノ口に(inoc7009アットマークm3.kcn.ne.jp )に連絡してください。

  

世界史部会12月例会 (12月17日)

日 時:2023年12月17日(日) 午後2時00分より
    ZOOM利用で行います。
テーマ:「地域に根ざす歴史学習―ワタから学ぶー 
                歴史総合と日本史探究をつないで (仮)」
報告者:浅井 義弘さん(大阪歴教協 大阪府立東百舌高校)
参加を希望する方は井ノ口さんに(inoc7009アットマークm3.kcn.ne.jp )に連絡してください。

  

世界史部会10月例会(10月15日)

日 時:2023年10月15日(日) 午後2時より ZOOM利用で行います。
テーマ:「「歴史総合」をめぐる論点と課題について                    ~「近代化」「大衆化」「グローバル化」の問題を中心に~」
報告者:河合美喜夫さん(東京歴教協 東京都立永山高校)

  

世界史部会 9月例会(9月24日)

日 時:2023年9月24日(日) 午後2時00分より
ZOOM利用で行います。
テーマ:「地理総合における地域教材を用いた防災学習-歴史総合との接点も意識して-」
報告者:田城賢司さん(和歌山県立熊野高校・和歌山県歴教協)

<報告者から>
2年前に三重県歴教協の方を「稲むらの火」で有名になった広川町を案内することがありました。 その際、濱口梧陵も少し調べたので、地理を少しはみ出す形(よくばって歴史にも触れながら)でプランを提案しようと思います。 概略になるかもしれませんが、報告を枕に意見交換ができればと思います。

  

世界史部会 6月例会(6月25日)

日 時:2023年6月25日(日) 午後2時00分より
    ZOOM利用で行います。
テーマ:歴史総合授業実践「日本の「戦後」のスタートはこれでよかったのか?~                       サンフランシスコ平和条約を読む~ 」
報告者: 良知永行さん(浜松市立高校)

  

世界史部会 5月例会(5月28日)

日 時:2023年5月28日(日) 午後2時00分より
               ZOOM利用で行います。
テーマ:「歴史総合を実践して」(2022年度の実践報告と2023年度の授業構想を報告)
報告者:土屋篤典さん(岡山歴教協)

参加を希望する方は井ノ口さんに(inoc7009アットマークm3.kcn.ne.jp )に連絡してください。

  

世界史部会 4月例会(4月23日)

日 時:2023年4月23日(日) 午後2時より ZOOM利用で行います。
テーマ:「なぜ被爆国日本が54基も原発をつくったのか?―核武装をめざす保守政権」
報告者: 井ノ 口貴史さん(立命館大学非常勤)
【報告概要】『歴史地理教育』2023年3月号の小出論文の要旨を教材のかたちで提示します。東電福島第一原発事故から11年、岸田政権は原発再稼働、新増設、運転期間を60年に延長する政策を進めようとしています。世論調査では、2023年2月段階で原発再稼働賛成が51%となり、反対42%を上回り、22年までの調査と賛否が逆転しました(「朝日新聞」2023年2月調査)。ウクライナ戦争や地球温暖化という「危機」に便乗した岸田政権の政策が市民の判断に影響したのでしょう。政府がすすめる原発政策は、18歳選挙権のもとで、高校生が政策判断を迫られる課題です。では、高校現場での東電福島第一原発事故や原発再稼働問題はどれくらい授業で取り上げられているのでしょうか。私が行ってきた京都橘大学(2011-20年)と立命館大学(2021-22年)における大学1年生を対象とした学習履歴調査では、京都橘大の2020年調査で東電福島第一原発事故の授業を受けたとする学生が20%(この間最多)でした。立命館大学での調査では「原発再稼働」についての授業を受けた学生は2022年で24%(21年は18%)でした。

 歴史総合や地理総合のキーワードのひとつが「持続可能な社会」です。ところが、現行の学習指導要領には「持続可能な社会」の定義はありません。私は、宮本憲一の「Sustainable Society(宮本は「維持可能な社会」と訳します)」の定義を参考にしています。宮本は、①平和の維持(特に核戦争の防止)、②環境と資源を保全・再生し、地球を人間を含む多様な生態系の環境として維持・改善、③絶対的貧困を克服して社会的経済的な不公正を除去、④民主主義を国際・国内的に確立、⑤基本的人権と思想・表現の自由の達成と多様な文化の共生、という課題を総合的に実現する社会であると定義しています。そして、「Sustainable  Society」の実現は困難が多いとした上で、「なかでも人類が歴史のうえで実現できていないのは平和、環境保全、経済的公平である」と指摘します(宮本憲一『環境経済学 新版』岩波書店2007年)。

私はこの定義に沿って原発の教材開発と実践を2011年より行ってきました。原発は、経済的不公平(格差)の上に成り立ち、放射能によって地球環境を長期にわたって破壊し、核兵器開発によって平和を脅かすものであり、21世紀の人類的課題に応えるものではないと考えます。そこで、原発問題を考えるフレームワークとして、①エネルギー・地球環境問題、②生存権の問題(経済的不公正・格差社会)、③平和の問題、の3つの視点を設定して教材化をすすめてきました。今回の学習指導要領で高校の社会科系科目に登場した必修科目に割り振ると、①は地理総合、②は公共、③は歴史総合にまたがる課題です。今回の報告では、③を報告します。

 

  

世界史部会 3月例会(3月19日)

日 時:2023年3月19日(日) 午後2時より ZOOM利用で行います。
○テーマ:世界史Aの総括をもとに歴史総合の年間プランを考える
○報告者:井ノ口貴史さん
○課題意識
歴史総合の授業が開始されて1年目、世界史A導入時以上に解決すべき課題は多い。2年目に向けて、2単位70時間で構成された教科内容を55時間程度で再構成する必要に迫られている。その際、世界史A(世界史必修)の総括から始めるべきだろう。その上で、「現代的な諸課題」を明らかにして、ポスト冷戦時代の国際情勢を確実に学ぶことができるカリキュラムの自主編成が求められる。
○報告要旨
1. 大学生の学習履歴から世界史必修の実態を明らかにする。
2.私自身の「世界史A」実践を総括する
 1)進学校での実践(1994~99年)― 通史で教える場合、3単位であれば教科書どおり現在まで教えられる。2単位では困難。
 2)課題集中校での実践(2000~03年)― 生徒の関心を引き出すことで、テーマ学習であれば、「現代的な諸課題」を追求する学びを実現できる。生徒は教師に学ぶ意味を問うている。教師はそれに応えられるか。
 3)工業高校での実践(2004~07年)― 2単位で通史として現在まで教える場合には帝国主義(19世紀末)から始めることで21世紀の現在まで教えることができる。歴史総合で考えると、「B近代化と私たち」は扱わないことになる。
3.歴史総合を自主編成する際の課題 ― ①日本史分野をどう扱うか。②通史としての構成で良いのか。③テーマ学習とすればどのようなテーマを設定するか。その場合、現在発行されている歴史総合の教科書のような細分化されたテーマ立ては無意味だろう。
4.歴史総合の年間プランをどうつくるか ― 参加者で議論