世界史部会7月例会 (7月24日)

日 時:2022年7月24日(日) 午後2時00分より
    ZOOM利用で行います。
テーマ:「歴史総合の授業構想-現代的諸課題をどうするのか」
報告者:井ノ口貴史(大阪歴教協)
【報告者から】「学習指導要領解説地理歴史編」では、教える順番まで指定して「解説」を書いているのですが、各社が発行する教科書は、「解説」に忠実に従っているようには思えません。特に「思考力・判断力・表現力等」に関しては、各社の教科書はアリバイづくり程度の記述です。「解説」には、「思考力・判断力・表現力等」に関しては、例示されているものは全て「あなたは・・・」と個人の意見表明や理解の表明を求めるものになっているのですが、山川の教科書は、テーマで扱っている708,709とも片隅にも書かれていません。他の教科書も申し訳程度に最後に記されるだけです。検定でも「思考力・判断力・表現力等」に関しては重視されなかったのでしょうか。山川の707は従来の通史的な記述のままで、主題も書かれませんから、フリーパスだったのかと思わざるを得ません。実教の704では産業革命とアメリカ独立戦争を1テーマ1時間で書いていますし、その他の教科書もアメリカ独立革命とフランス革命も1テーマ1時間の扱いです。「知識」すら重視していません(異様なまでの資料の取り扱いについての記述がありますから、「技能」は重視したのでしょうが)。「知識」はエエカゲンでよい、「思考力、判断力、表現力等」はドウデオイイ、その結果現在の社会の矛盾に気づかない「良き国民」が育つということ(学びに向かう力、人間性等)になる。現場では世界史は風前の灯火状態です。今後ますます「歴史を忌避する若者、歴史に無関心な若者」が増えることになることでしょう。さあどうすれば良いのか・・・
参加を希望する方は井ノ口さんに(inoc7009アットマークm3.kcn.ne.jp )に連絡してください。