世界史部会 2月例会(2月23日)

日 時:2月23日(日)午後2時~ ZOOM利用で行います。
テーマ「楊おばさんは語ることができるか?―清末民初における纏足に対するまなざしの変化を考える授業―」
報告者:小川涼作さん(会津若松ザベリオ学園高等学校)
【概要】
多くの生徒が中学3年次の国語の授業で触れる魯迅『故郷』には、「古い人間」の象徴として纏足をした女性、楊おばさんが登場する。日本の中学生は、『故郷』で初めて纏足を知るケースが多いため、魯迅の目線で纏足を悪習としてとらえることになる。ただ、実際には、纏足に対する認識は立場によって異なる。本実践は、資料から、中国の近代化を目指す中国人エリート、女性の権利を主張するイギリス人女性、台湾を統治する日本、纏足を求める男性、娘に纏足を施す母親、纏足女性本人の纏足観を読み取り、「まなざされる者」としての楊おばさんの「まなざし」に対する語りを考えた。なお、本実践は高校1年「歴史総合」(第一次世界大戦後のアジアのナショナリズムを扱う単元)で実施した。