支部・部会・研究会案内

「大阪の歴史教育」 第42号

「大阪の歴史教育」   第42号  目次
2009年8月

特集Ⅰ 「沖縄戦裁判と歴史教育の課題」

大江・岩波裁判の大阪高裁判決の意義と今後の課題     小牧 薫
2008年度近畿ブロック研究集会 シンポジウム「沖縄戦学習と教科書問題」
教科書検定と沖縄戦学習              坂本 昇
教科書検定意見撤回運動ならびに大江・岩波訴訟は我々を強くしたのか
山口剛史
中学生の沖縄ノート -社会に向き合うようになった中学生たちとその後-
平井美津子
シンポジウムでの質疑・討論のまとめ

特集Ⅱ 「日本の近現代史の学び方」

2008年第43回研究大会講演
近現代の日本とアジア-日本はどのようにして植民地を手に入れたか
原田敬一
日本近現代で何を教えるか                浅井義弘
日中韓青少年キャンプに見る歴史認識           原 幸夫

研究と実践
「くらしのうっりかわり」と大阪・今里新橋商店街の昔と今
小野賢一
大谷用水を調べる                    清水ゆかり
戦災孤児から学ぶ平和                  田家千春
「机化」する子どもたちを起こす授業とは         井ノロ貴史
「歴史たんけんプリント堺」好評です      樽野美千代・小松清生

見よう・触れよう・調べよう~大阪の歴史~
「天王寺七坂」を訪ねて
森田敏彦

特集III「大阪府政と教育」
橋下改革 (小牧 薫)/小学校 (小川一詩)/中学校 (岡澤文彦)
高等学校 (仲森明正)/支援学校 (志賀功)/私立学校 (永田太)

大阪歴史教育者協議会 2008年度活動報告

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大阪歴史教育者協議会第44回研究大会

大阪歴史教育者協議会第44回研究大会
 大阪歴史教育者協議会は、1953年に結成されて以来、地域に根ざし、平和で民主的な主権者を育てる歴史教育、社会科教育の研究と実践をすすめてきました。
 大不況のなか、働く権利、生きる権利が脅かされています。こんなことがなぜ起こったのか、どうしたら生きる権利を保障させることができるのか、講演や実践をもとに、みんなで考えましょう。日本国憲法の平和と民主主義の原理を学びあい、たがいの実践を出しあって、情勢に見合った社会科教育を創り出していきましょう。
 多くのみなさんのご参加を期待しています。
〔テーマ〕歴史に学び、平和で豊かな日本、世界を
〔日 時〕2009年6月27日(土)午前11時より(総会は10時より)
〔会 場〕エルおおさか 701号
    ●京阪・地下鉄谷町線「天満橋駅」より西へ300m
    ●京阪・地下鉄堺筋線「北浜駅」より東へ500m
〔資料代〕 1000円(市民・学生 500円)

【記念講演】
「いま、憲法の生存権規定をどう生かすか」
松崎 喜良さん(神戸女子大学)
人は誰でも健康で文化的な生活を欲しています。しかし現実は厳しく、生活困窮に直面することがあります。それを解決するためにはどうしたらよいか、を語っていただきます。
【日程と内容】
※受付  午前9時半より

研究大会の報告と講演
■特別報告 午前11時より
「北野夜間中学(のちの北野高校定時制)とアジア太平洋戦争-朝鮮人・台湾人生徒の思想調査など-」
 北野高校定時制課程が今年閉鎖されました。それを機に、保存資料を整理されていたなかで、憲兵隊が朝鮮人生徒や教職員を対象におこなっていた思想調査を示す「極秘」資料を見つけられました。発見に至る経過とともに、「北野定時制72年史」編纂について特別報告をしていただきます。
山上 俊夫(渋谷高校)
<昼食休憩>
■実践報告(1) 午後1時より
 「『まるごと社会科中学・公民』を作成して~プリントの作り方・使い方」
若い先生が増えている中で、授業を進める上で欠かすことの出来ない教材としてのプリントを作る視点や使い方を実践を通して紹介していただきます。
平井 美津子(吹田市立西山田中学校)
■実践報告(2) 午後2時より 
「アルバイトの調査から見える高校生の姿」
 過去10数年の高校生のアルバイト調査をもとに、その実態を報告します。また、数多くの労働法制違反の実態を理解させるだけでなく、その実態に対して、どうしていけばよいのかを考えた授業実践についても語りたいです。また、授業を通して、働くこととはどういうことなのかを考えさせたことも報告します。
松崎 康裕(門真なみはや高校)
■講演 午後3時10分より
「いま、憲法の生存権規定をどう生かすか」
神戸女子大勤務の前は、大阪市のケースワーカーをされていた方です。大阪市民の暮らしに実態をつぶさに見られ、健康で文化的な生活をどう保証していくかを実践されてきました。その体験を元に、憲法の生存権規定をどう生かすかを縦横に語っていただきます。
松崎 喜良(神戸女子大学准教授)
〔連絡先〕 大阪歴史教育者協議会事務局   浅井義弘

  

大江・岩波沖縄戦裁判勝利の意義

大江・岩波沖縄戦裁判勝利の意義

大阪歴史教育者協議会委員長
大江健三郎・岩波書店沖縄戦裁判支援連絡会事務局長
                       小 牧  薫

1.「沖縄戦裁判」第一審勝利判決-

 2008年3月28日、大阪地裁民事第9部の深見裁判長は、家永三郎『太平洋戦争』、大江健三郎『沖縄ノート』の記述は真実相当性があるとして、原告の訴えをすべて退けた。それだけでなく、「日本軍が駐屯しなかった渡嘉敷村の前島では集団自決が発生しなかったことなどの事実を踏まえると,集団自決については日本軍が深く関わったものと認められ,それぞれの島では原告梅澤及び赤松大尉を頂点とする上意下達の組織であったことからすると,それぞれの島における集団自決に原告梅澤及び赤松大尉が関与したことは十分に推認できる」とまで判示した。 “大江・岩波沖縄戦裁判勝利の意義” の続きを読む

  

大阪歴史教育者協議会第43回研究大会

大阪歴史教育者協議会第43回研究大会(終了しました)

    原田敬一さん(仏教大学文学部教授)が講演

演題は、「近現代の日本とアジア」―日本はどのようにして植民地を手に入れたか」

2008年6月22日(日)午後3時から
会場は、大阪府教育会館たかつガーデン

 ご案内

 大阪歴史教育者協議会は1953年に結成されて以来、地域に根ざし、平和で民主的な主権者を育てる歴史教育、社会科教育の研究と実践をすすめてきました。また、日本・中国・韓国の青少年の交流を進め、沖縄戦などの正しい教科書記述のために努力してきました。憲法9条が真に生き輝くためにも、たがいの実践を学びあい豊かな歴史教育、社会科教育を作り出していきましょう。多数ご参加ください。

〔テーマ〕 歴史に学び、平和な世界を
〔日時〕 2008年6月22日(日)午前11時から午後5時まで
〔会場〕 大阪府教育会館 たかつガーデン  3階「ローズ」
       近鉄大阪線「上本町駅」下車3分または地下鉄谷町線「谷町9丁目」下車7分
           Tel 06-6768-3911

〔資料代〕  1000円  父母・市民は500円

受 付   午前9時半より

研究大会の報告と講演

■実践報告(1) 午前11時より

 「東アジアの平和と青少年の交流・学習・討論」

 日中韓歴史キャンプにみる中高生の歴史認識を分析し、歴史教育、平和教育の課題・方法について考察したレポートを報告します。                              原 幸夫(和泉総合高校Ⅲ部)

■実践報告(2) 午後1時より

「地域の移り変わり―新橋商店街の今と昔」

 校区にある商店街の今と昔のちがいを見つけさせる中で、地域の移り変わりを学ばせた実践を報告します。

                                  小野 賢一(大阪市東成区大成小学校)

<昼食休憩>

■実践報告(3) 午後2時より

「生活文化の世界史」

 茶の世界史、砂糖の世界史、コーヒーの世界史、酒の世界史など、身近な教材を通して世界史に興味・関心を持たせるために行った総合学習の実践を報告します。                 山本 武志(久米田高校)

■講演 午後3時10分より

「近現代の日本とアジア  ―日本はどのようにして植民地を手に入れたか」

 立憲国家となった日本は、ほぼ5年ごとに戦争を繰り返しました。その中で、どのようにして植民地を獲得したのでしょうか。国民統合をすすめた「輝かしい明治」像を問い直します。

原田 敬一(仏教大学文学部教授)

 最近の主な著書 シリーズ日本近現代史(3)「日清・日露戦争」岩波新書  「国民軍の神話―兵士になるということ」 吉川弘文館 など

〔連絡先〕 大阪歴史教育者協議会事務局   浅井義弘

  

「大阪の歴史教育」 第41号

「大阪の歴史教育」   第41号  目次  2008年3月

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特集Ⅰ 日本国憲法を考える
 「日本国憲法を教えるために」               岩田  健
 「小学校の憲法学習」                   小川 一詩
 「二つの憲法をくらべてみよう!」             中川 美幸
 「憲法9条を教えよう-中学校公民的分野で-」       林  正敏
 「生きた憲法学習をめざして」               木村  薫


特集Ⅱ 沖縄戦裁判と教科書検定
「文科省は、なぜ日本軍の『命令』を削除させたのか」    小牧  薫
「沖縄戦を学んだ中学生、その後」             平井美津子


研究と実践
 「日本各地の海水調査から大阪周辺の海水調査へ」
 「高校生とともに『はたらく』ことを考える」        山田 真理
 「地域から見る日本史の授業」               永瀬 弘勝
 「高校生にとっての同時代史と現代史学習」         井ノ口貴史


 大阪歴史教育者協議会 活動報告 (2005.7~2007.3)
 大阪歴史教育者協議会 入会案内動報告 (2005.7~2007.3)
 大阪歴史教育者協議会 入会案内


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身分制度・部落問題の授業にどう取り組むか

身分制度・部落問題の授業にどう取り組むか
  - 新中学校教科書の部落問題記述を批判する -

小牧 薫

1.2006年度用中学校用教科書の問題

 身分制研究の進展と部落問題の解決、同和教育の終結をうけて、教科書の記述は変わったのでしょうか?

 1972年の小学校教科書に「その他の身分」として「賤民」についての記述がなされ、74年の中学校歴史教科書には、「えた・ひにん」について詳しく記述されるようになりました。それから30年以上たつのですが、小・中の教科書は基本的には変わっていませんでした。その間、鈴木良さんが『教科書のなかの部落問題』(初版1989年、改訂増補班90年,部落問題研究所)で、小・中学校の教科書批判を展開されました。私たち歴史教育者協議会の会員も旺盛に教科書批判を続けてきました。そうした甲斐もあってか、2006年度用の教科書のなかには大きく改善されたものもあらわれました。しかし、まだ旧態依然たるものもありますし、政治起源説を払拭しきれないものもあります。帝国書院の教科書は、2002年度用で「ケガレ」説を書きましたが、今回の改訂でも、その内容は変わっていません。また、いくつかの教科書が「現代の課題」で、いまだに同対審答申を引用し、「部落差別は根強く残されている」というような記述をしています。 “身分制度・部落問題の授業にどう取り組むか” の続きを読む